永遠のワイン2001発売       www.tawaraya-saketen.co.jp

 自社ホームページを開設するにあたり、「完全無添加天然酒」の企画を公開しました。これは、「”環境”と”人”に優しい手造りの伝統を守る酒を永く伝えてもらいたい」という想いから生まれたものです。お酒を提供するうえで大切なことはお客様が嗜好するものを選ぶことですが、この企画に関しては、”質の高さ”と”安心”を全面に押し出しました。
 その第一弾が、「永遠のワイン」です。大きな特徴は、”天然酵母で発酵を行っている(純粋培養酵母無添加!)”ということです。ヨーロッパには伝統を重んじる人が多く、現在もこのようなワイン(マルセル・ラピエールのワインなど)がありますが、日本国内には殆ど見当たりませんでした。又、人工的に変異を起こした酵母(人工酵母)が醸造に使われているということを知り、バイオ酵母が主流になることを恐れ、あえて”天然酵母”にこだわりました。酵母(天然酵母やバイオ酵母)のことは、「プチホテル シャンツェ」の新井さんご夫婦から教えられました。果実は完熟し糖度が高くなると、自然に酵母(天然酵母)が付きます。この酵母によって果実の糖分をアルコール発酵(自然発酵)させるのです(通常は純粋培養のワイン酵母を添加する)。
 「永遠のワイン」を企画できたのは、”琵琶湖ワイン”の醸造元「太田酒造」さんとの出会いがあったからです。日本はヨーロッパに比べ湿度が高く虫が付きやすいため、ぶどうの無農薬栽培は殆ど行われていません。国産の”オーガニック”や”無添加”を謳っているワインの中には、海外から粉末果汁を輸入しそれを発酵させて、販売しているものもあるそうです。
 西暦2000年暮れ、太田酒造の太田専務さんが当店に来店し「琵琶湖ワイン」を紹介されたことから、無農薬有機肥料栽培でぶどう(マスカットベリーA、その他)を栽培し、手造りでワインを醸造していることを知りました。西暦2001年の3月に琵琶湖ワイナリー(滋賀県)を訪問し、「完全無添加天然ワイン」の醸造を提案したのですが、無添加ワインは造ってないため、断わられました。その後、「酸化防止剤・清澄剤・濾過剤一切薬品無添加のワインを造ってみましょう!」という返事を戴けたのですが、「天然酵母での発酵(酵母無添加)は無理でしょう−」とのことでした。
 SO2(酸化防止剤)や酵母を添加しないと雑菌が繁殖する危険度が高くなります。又、天然酵母(人工培養酵母無添加)では、どのような性質の酵母が活性化するか把握しきれないため、酒質にばらつきが出ます(ワインでは果実の出来に大きく左右される)。そのため、現在日本国内では、天然酵母で発酵させるお酒は、ワインに限らず極少数になってしまいました。
 「良いぶどうの完熟した果実には、良い天然酵母が付く!」という信念を持っていましたが、9月に再度ぶどう園を見学させてもらったとき、「きっと大丈夫!」と感じました。それは、自然の生態系が守られているからです。蜘蛛が巣を張り、雑草の葉には虫食い穴が開き、除草も手作業で行われていました(無農薬有機栽培のぶどう畑には50種類くらいの天然酵母が生息するらしいが、農薬を使用するとその数は減少してしまう)。何度か太田専務さんと相談した末、試しに仕込んでもらったのが、「永遠のワイン2001」です。
 天然酵母は生命力が強いせいか、アルコール発酵が活発に進むとのこと!そのため酸も多く生成され酸味の強いワインになりそうだったのですが、酸味の強くないマイルドタイプに仕上がりました。これには、太田専務さんも驚かれていたようです。
 貯蔵は、澱引きも濾過も熱処理もしないで行っています。そのため時間の経過とともに、澱からいろいろな呈味成分が溶出し、味に厚みがつきます。さらに熟成が進むと、まろやかになります。
比較的長期間の貯蔵熟成による味の向上が期待できます!
 永遠のワインは14度以下での保管を奨励していますが、2001年度産は室温(18℃前後)でも大丈夫なようです。又、天然酵母が活動している生命力の強い生ワインは、酸化しにくいようです(*1)。”優良酵母と呼ばれる純粋培養酵母”はアルコール生成能力が高く良好な香味成分を生成します(発酵力が強い!非熱処理の酒は低温での管理が必要)。それに比べ”天然酵母”の性質は把握しきれませんが、バランス感覚は良いようです(環境変化への適応能力も高い)−。”生命”を総合的にみた場合、優劣は無くなるのでしょうか−。
 飲用時は、室温(18℃前後)又は冷やして(10℃前後)どうぞ!無添加・無濾過なので、ワイン本来の旨みを味わうことができます。負担のかかりにくい、身体に優しいワインです!
 天然酵母の場合、その年のぶどうの出来や天候によって、果実に付く酵母や活性化する酵母に多少の違いが出てきます。それが天然酵母を使ったお酒が秘め持つ、”大きな可能性”です!
 このワインは、長年丁寧な葡萄栽培と手造り醸造を続けてきた太田酒造さんや新井さんご夫婦をはじめとする、さまざまな出会いから生まれたものです。
 環境と人に優しい完全無添加天然ワイン!天地の恵と匠の魂の結晶永遠のワインを、末永く御愛飲下さい。


(*1)酵母のアルコール発酵 6126    −−> 2C25OH + 2CO2
    酵母の呼吸      6126 + 6O2 −−> 6H2 + 6CO2



永遠のワイン 写真


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